マイケル・リン《スタンダードカラー 2024》
2024/撮影:浅野 豪
マイケル・リン
2024
《スタンダードカラー 2024》は、リンが2024年のリサーチの過程で訪れた新見市の呉服店で、店主から見せてもらった草木染染色図鑑に着想を得て制作された。
建物2 階から3 階へと続く踊り場の吹き抜け空間に設置された本作は、地域の文化的モチーフを取り入れながら、図書館という公共施設に新たな視覚的な奥行きをもたらしている。
本作品は、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2024にて制作され、常設展示されている。

Photo: Julia Bahlsen
台北とブリュッセルを拠点に活動。絵画を瞑想的な空間ではなく、私たちが実際に住むことができるような境界を持つ物理的な空間として捉え、公共空間を再構築するようなモニュメンタルな絵画のインスタレーションを発表している。
1964年に日本で生まれ、台湾、アメリカで育ったリンは、90年代初頭に台湾に戻り、アーティストとしての活動を始めた。日常で使われている台湾の伝統的なテキスタイルを公共空間に拡大して描くことで、その模様がもつ意味を転移させる絵画表現を確立。これは、異なる文化圏で生活する中で、自身のアイデンティティとアーティストとしての表現を探求し、辿り着いたかたちである。また、リサーチを通じて、制作する地域の伝統や文化的モチーフ、空間の特徴や場所との関係性を取り入れた制作も行っている。

撮影:浅野 豪
エントランスには、吹き抜けを利用した壁一面に広がる大書架があり、スタイリッシュで寛げる空間のある図書館。


