ジャコモ・ザガネッリ《津山ピンポン広場》2024/撮影:顧 剣亨
ジャコモ・ザガネッリ
2024
《津山ピンポン広場》(2024)は、津山市の文化ゾーンの中心に位置する、かつて駐車場として利用されていた津山国際ホテル跡地に、パブリック空間として設置された屋外卓球場である。ザガネッリによれば、ドイツでは公共の屋外卓球場は、単なるスポーツの場ではなく、卓球台を囲んで飲食を楽しむなど、市民の思い思いの時間を過ごすミーティングポイントとして機能しているという。
ザガネッリがデザインし、地元の職人と協働した鉄とコンクリート製の3台の卓球台と、地元木材を加工したベンチは、鶴山公園の石垣や木々の風景と調和し、地元住民やここを訪れる人々が、本作を介し交流できる和やかなコミュニケーションのためのプラットフォームとして開かれている。
本作品は、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2024にて制作され、常設展示されている。

Photo: Silvia Piantini
1983年、イタリア生まれ。
フィレンツェとベルリンを拠点に活動。地域コミュニティを対象に、芸術や文化プロジェクトを行うアーティスト、キュレーター、および活動家。参加型の展覧会やワークショップにより、地域住民や行政機関などと協働しながら、空き地などの放置されている場所を活性化してきた。
今回ザガネッリはパートナーのシルビア・ピアンティーニと共に、2022年、2023年に県北部に約1カ月間滞在し、津山市の市役所や地域コミュニティ、学校などを訪問。住民との対話を通じてプロジェクトを進めた。

津山城に隣接する旧大名屋敷跡。近代に津山国際ホテルが建設された跡地に芝を敷き、憩いの空間として活用されている。


