
Courtesy of Faig Ahmed Studio.Photo by Aslan Alikhanov.
1982年スムガイト(アゼルバイジャン)生まれ。現在はバクー(アゼルバイジャン)を拠点に活動。
ファイグ・アフメッドはバクー在住の現代美術作家。アゼルバイジャン国立美術アカデミーで彫刻を学ぶ。アゼルバイジャンの伝統的な絨毯作りが内包する文化的・物質的・知覚的なシステムを再考するその制作は、国際的に高い評価を受けている。
アフメッドは、歴史豊かなアゼルバイジャンの絨毯の視覚言語と技術を、彫刻的、空間的、そしてコンセプチュアルなアート作品へと変容させた作品で知られている。アフメッドは、絨毯を固定的な文化財としてではなく、解体し、拡張し、意味を転換し、現代的な視覚文化との対話の中に位置付けることができるような情報システムとして捉えている。絨毯本来のパターンや構造、スケール、素材を改変することにより、伝統と変質、現実空間と仮想空間、集団的記憶と個人の認知など、さまざまな関係性を検証する。
近年のアフメッドの制作は、媒体としての絨毯から、意識や認知、神経科学、確率論、エマージングテクノロジーなどに関わる領域横断的な研究へと拡張している。パターン認知や意味の構築、文化や技術のシステムによる人類の体験の形成などを探究するその作品は、テキスタイル、彫刻、インスタレーション、映像、音響、そして研究ベースの形態まで、多様な形式で展開している。こうした展開により、その作品においては、幾何学や神秘主義、カリグラフィー、サイエンス、古文書、知識システムなどに対する彼自身の長年にわたる関心がさらに大きく拡大している。
アフメッドは、2007年のヴェネツィア・ビエンナーレにてアゼルバイジャンが初めて出展した国別パビリオンでの展示に参加。2026年のヴェネツィア・ビエンナーレではアゼルバイジャンのパビリオンで個展「The Attention」を開催した。また、プリンストン美術館、アガ・カーン美術館、ローマ現代美術館(MACRO)、ジョージ・ワシントン大学博物館およびテキスタイル博物館、ホノルル美術館、サンルイスオビスポ美術館、マラヤ・アートセンター、フランクフルト応用工芸博物館、イスタンブール近代美術館、MONAタスマニア、シドニー応用芸術科学博物館など、世界各地で展示を行っている。2013年にはヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で開催された「第3回ジャミール賞」にノミネートされた。

Faig Ahmed, Nizami Ganjavi, 2021. Courtesy of Faig Ahmed Studio