
ジヴヤ・ソーマ・マーシェ《村の結婚式》1994年
ワルリー画(Warli painting)は、インド西部のマハーラーシュトラ州周辺に住む先住民族「ワルリー族」によって受け継がれてきた伝統的な民俗絵画である。赤茶色の壁面や布地を背景に、主に米の粉などを水や天然の接着剤で溶いた白い絵の具を用いて描かれる。
自然観に基づく基本図形(円・三角・四角)の組み合わせによって、人物や建造物が表現される一方、植物や動物たちはシンプルでありながらも種類ごとの特徴を捉え、非常に生き生きと描き分けられる。
豊穣の女神を祀る儀礼の絵から、農作業や狩り、日々の暮らしの賑やかな一瞬まで、彼らの信仰と生活が一体となった世界観がテーマである。中でも、収穫の祭りなどで人々が輪になって踊る「ターパ・ダンス」を描いた、円形や螺旋状の躍動感あふれる構図が広く知られている。
また、ワルリー画では、人物の動的な配置で「時間の経過」を表すと同時に、ひとつの画面の中で、時に現実と夢や神話の世界を並置する。彼らは、動きと空間構成により、現実と非現実、時空の隔たりを超越した独自の世界を描き出している。
