【特集記事】
森と水の国、岡山
命のはじまり、素となる「水」を巡る

2024. 10. 11


 
「いきもの」の源を辿る。
そこには、はじまりであり、私たちの肉体を構成する水がある。
水なくして生きるものは、地球上に多くない。
「いきもの」である以上、水を求める。
水を育むものは、有限であるにも関わらず。
 
水を生む母なる恵みへの感謝を抱き、岡山県北の森を起点に県を縦貫する水にまつわる土地を辿る。
「いきもの」が水から預かる恩恵について考えながら、料理人村上宙が旅をした。
 


旅する人 村上宙(むらかみそら)
大阪府出身。岡山県美作市にある飲食店<ohayo>オーナーシェフ。ローカルの食の担い手のもとへ日常的に通い、作物を育み見守る形で農作業に参加。収穫した「土地の恵み」は素材の味わいを活かしたシンプルな味付けで提供する。

 
巡った場所とエリア
 
・巡る水の、母なる森へと分けいって —— 若杉原生林(西粟倉村)
・水を浴び、湯を味わう —— 奥津温泉、奥津荘、奥津渓(いずれも鏡野町)
・食べたいものを作る、人と農のしぜんな付き合い方 —— 蒜山耕藝くど、蒜山醸造所つちとみず(いずれも真庭市)
・命に感謝して、「生活」をする —— ohayo(美作市)
 

巡る水の、母なる森へと分けいって

 

 
「山と海は恋人じゃない、家族ですよ」
 
そう声を大きくする白籏佳三さんを案内人に迎え訪れた<若杉原生林>から、村上さんの旅は始まる。県内の三大河川に注ぐ源流が湧くこの原生林は200年以上の間、ブナ、カエデ、トチノキなどの巨木が静かに根を張りめぐらせ育んだ天然の保水地。生命の水を外界へ届ける、はじまりの場所だ。
 
「左手側は人工林、右手側は天然林。老いた木が倒れると、日が差し、幹は腐り、いずれ小さな芽が生える。そうして森は命を繋いできたんです」
 
清冽な谷川の水の流れに逆らうように登山道を登っていると、「あれが、森の母ですよ」と白籏さんが一本のブナの木を指さした。
 

長年、この森を見てきた西粟倉村役場の白籏佳三さん(左)から森を見るレクチャーを受ける村上宙さん(右)

 
「ブナは、葉から枝、幹を伝って、雨水をまとめ、木の下へと注ぎます。自分のためではありません。自らの根元に群生する下層植物や微生物などの生き物に、いのちの水を分け与えているんです。ですが当然、すべての木がこの『利他精神』を発揮するわけではありません」
 
ふかふかとした足場から1枚の葉を拾いあげ、森の賢者は話を続ける。
 
「秋になれば、ブナの木は早々に紅葉葉(もみじば)を地上に散らします。今、僕たちの足もとを埋め尽くす、いずれ土に変わるものがそれです。腐りにくいブナの葉は、ゆっくりと時間をかけ土壌動物や微生物たちの住みかになり、ゆっくりと時間をかけて養分たっぷりの腐葉土へと変化します。さらに時が経つと、土や「分解者」は川下へと流れ、田畑や海が豊かにする一部となります・・・・・・。この循環のはじまりに立つブナの木を、ブナのある森を『母』と慕わないで、なんと言えば良いのでしょう」
 

ブナの葉の特徴は、窪んだ葉脈。水を根本に集約する役割を果たす。他の樹木には多く見られない。

 
山と海は家族。家族を貫くのは、水。生命そのものよりもはるか昔からこの惑星に存在してきた水は、生命という現象を根本から担う。蛇口をひねれば、自明のものとして提供されるこの水に対して、また、その始まり、その循環に対して、私たち人間はどれほどの立場をとれるだろうか。思考を続けながら、旅は続く。
 

 

真夏でも清冽な水を湛える若杉原生林の水源。(画像上)サンショウウオの仲間やアカハライモリ、イワナなど澄んだ水にのみ生息するいきものたちに出会った。(画像下)

 

水を浴び、湯を味わう

 
白籏さんと別れ、旅は続く。
 
細い水脈だった湧水はいまや溢れんばかりの水量を湛える吉井川になった。川の流れに沿って下ると山懐に抱かれた温泉郷<奥津温泉>が見えてくる。湯の恵みと生活がごく当たり前のものとして結ばれるこの土地には、今でも自宅に風呂を設けず、共同浴場(共同温泉)へと日々足を運ぶ暮らしがある。
 

吉井川のほとりには足元湧出の源泉に気軽に浸かれる足湯がある。川の音を間近に聞きながら湯に浸かると、あらためて水がもたらす多様な恩恵を感じる。

 
本通りの入り口に位置する、国の有形文化財<奥津荘>は、吉井川沿いに構える老舗温泉旅館として古くから数多の文人や市井の人々に愛されてきた。現在、岡山県下で唯一、飲泉許可を取得する温泉施設でもあり、これは4代目湯守である鈴木治彦さんによる温泉文化への根強い関心と、当局への長く地道な働きかけによって実現した。
 

加水加温をすることなく42.6〜7度の湯が毎分247リットルの湯が湧く<奥津荘>。足元自噴のため酸化劣化せず湯の鮮度が非常に高いことから「奇跡の温泉」と称される。

 

かつての川底に湧いた源泉の上に設られた「鍵湯」。花崗岩一枚を隔てて吉井川と繋がる。

 
「世の景色は変わり、宿の姿も変わりました。けれども自然のままに湧く奥津の温泉だけは変わりません。同じように人は、人の手をもって温泉を良くすることはできません。できるのは状態を悪くすることだけ。ですから私ども奥津荘の湯守は、開湯以来1000年以上前から泉源管理をするほかには、『なにもしないこと』を徹底しております。吉井川の川底に湧いた、加水も加温も必要としない足元湧出の『奇跡の温泉』をしっかりと繋いでいく。それが私たちの務めなのです」
 

無色透明、無味無臭と癖がない。絹のようになめらかで、まるい味わいの温泉水。館外への持ち出しは禁止。飲泉は当宿内に限られる。

 
夜、ゆったりと湯に浸かり、水を巡る旅の終着点とする楽しみもあるが、足早にいくつもの土地を巡る段取りならば日帰り温泉の利用も検討したい。悠久の時を隔てても変わらない、大いなる森からの恵みと人の慢心なき態度によって継がれてきた湯の郷は、懐が深いのだから。
 

 
三たび様相を変えて現れた、吉井川沿いの渓谷<奥津渓>で涼をとる村上さんが呟く。
 
「人は、水や自然にもっと感謝しなくてはいけないですね」
 
<奥津荘>の湯床にも見られた花崗岩が清らかな水流に長らく侵食され形成された渓谷は、その成立背景から柔和なまろみをもつ大きな川石が散在するほか、臼渕の甌穴群、鮎返しの滝などの「名勝八景」が点在する。足元に咲く山野草に目を奪われる一方で、春にはシャクナゲやツツジ、夏にはカジカがホロホロと鳴き、秋には「山の錦」と名高い見事な紅葉が清流を四季折々に彩る。
 
到着するや否や素足になり、川遊びにしばらく興じていた村上さんは、気づけば石に腰掛け静かに物思いに耽っていた。時折清流に手を浸し、目を閉じ、何かに耳を澄ましている。
 
「何もせず、ただ水辺で風を感じることが本当に豊かで、贅沢だなとしみじみ思います」
 

 

食べたいものをつくる、ごく自然な人と農の関わり方

 
吉井川を背に西へ向かうと、旭川に行き当たる。
 
その上流、蒜山地区には、「食べたいものをつくる」をテーマに活動する自然栽培の米農家<蒜山耕藝 くど(の食卓)> がある。ここでは、自分たちで育てあげた野菜をはじめ、味噌、甘酒、もなかの皮などの加工品を作り手自ら調理しもてなす喫茶や飲食営業を不定期に行うとともに、季節の作物の販売所を兼ねる。2023年には、新たな取り組みとして、稀少品種の食米「亀治」、仕込み水は醸造所のある集落に湧く井戸水を用いたどぶろく「代満(しろみて)」を初醸造した。
 

風味をコントロールすることなく自然なままに仕上げられたどぶろく「代満」。毎年異なる味わいが楽しみ。

 
「どぶろくと言えば、お米の甘みを感じるものが多いけれど、『代満』は糖を完全発酵させた分、だいぶエネルギッシュな味わいですね」と試飲した感想を口にする村上さん。
 
「『作り手にとって必要なものができる』と、農に携わる人はよく言います。だとすると、このどぶろくを作った僕たちには、パンチのあるなにか強烈なものが必要なのかもしれないですね」
 
そう答えるのは、<蒜山耕藝 くど>を主宰する高谷裕治さんと絵里香さん。もとは関東に住み、農とは縁遠い生活を送っていたが、東日本大震災を契機に「自然に逆らわず、穢さず、あるがままに、日々食べたいものを食べる」暮らしを求め、蒜山へと生活の拠点を移し、農の営みを始めた。
 

<蒜山耕藝 くど>が管理する稲田。くどの活動に信頼を寄せた地元の方々が休耕田を預け、現在の作付面積まで拡大した。奥には後に登場する<蒜山醸造所 つちとみず>の杉さんの麦畑がある。

 
「自然農法に興味をもったのは、土や種、作物などへの向き合い方に共感したからです。それは、人間の都合で成功失敗を考えるヒト中心の因果論ではなく、土には土の、作物には作物ごとのリズムがあり、それぞれを尊重することで『自力』を引き出してあげようとする考え方に始まります。化成肥料などが長らく使われ『自力』を奥に潜めてしまった田んぼの土を健全化するには時間がかかります。
 
けれどもいつか土の本分が蘇った時、そこで育まれる作物の味は澄みとおり、余計な味つけも不要なほど濃い味わいの作物に育つんです。人間が何をしなくとも、土や作物は全てを知っています。僕たちはただ、必要な手助けだけをして、あとは自然を師として学ぶだけでいいんです」
 

ラボのようなどぶろく小屋で、敷地内に湧いた地下水をいただく。

 
せっかくだからと絵里香さんが、どぶろくの仕込み水と山に湧く水をどぶろく小屋で飲ませてくれた。
 
「仕込み水はきれいで透き通った味わいですね。癖がなく、毎日飲みたいような。湧き水の方は、意外にもまろやかで、これも美味しいです。仕込み水に比べるとすこし複雑みがある気がしますが、土の中でいろんな養分を得て、地表に湧いたと思うとなんだか感慨深いです。持って帰って出汁をひいたり料理に使ったりして、味の出方を比べてみたらいろいろな発見がありそうですね」
 
それを聞き、裕治さんがどぶろくを作ろうと思ったきっかけがこの仕込み水にある、と教えてくれた。
 
「ここに地下水が湧いていなければ、どぶろくを作ろうとは思い立たなかったでしょう。米、水、麹・・・・・・。ひとつの集落で育まれた原料だけで完成するからこそ面白いじゃないですか」
 
集落の水、というキーワードから、次なる目的地<蒜山醸造所 つちとみず>について話題はうつる。
 
<蒜山醸造所 つちとみず>の杉ちゃんのビールの味わいと比べてみてください。うちのどぶろくと同じ仕込み水(地下水)を使い、同じ集落の野生酵母で仕込んでいるにも関わらず、『こうも違うのか!』と驚きがあるはずです」
 

集落内外から人が訪れる<蒜山耕藝 くど(の食卓)>。夏休み期間中は、「喫茶くど」として期間限定オープン。

 
<蒜山耕藝 くど>のどぶろく小屋から徒歩0分の<蒜山醸造所 つちとみず>。杉ちゃんことビール醸造家の杉保志さんが1年前、自宅の敷地内に建てたこのマイクロブリュワリーで生み出されるビールを、高谷さん夫婦は「うちの『代満』とは全然違う、フルーティーで女性的な味わい」と形容する。にこにこと人当たりのよい笑顔で出迎えてくれた杉さんは話も半ばに、醸造したてのクラフトビールをタッパーから注いでくれた。
 

「ここ一番の出来なんですよ」と満面の喜びを体いっぱいで表現する杉さん。サワーエールとして販売されるクラフトビールは、公式オンラインサイトで購入可能なほか全国各地の酒屋、飲食店に卸している。

 
「かつて公務員だった頃は、お金を稼いで消費するだけの生活でした。けれどもここ中和村(ちゅうかそん)の地域振興の役職に就き、出会った高谷さんたちに影響されて、『自分の手で何かを作り出せる人になりたい』と思ったんです。実現に向け、農のある暮らしのためにちょっとだけ必要なお金を稼ぐ手段として始めたのがビール作りでした。お酒も好きでしたし、ここにはビールの命でもある、きれいで美味しい水が豊富にあったことに背中を押されました」
 

 
ブリュワリーの前や「四幸(しこう)」の地名をもつ集落奥の渓谷、村に生える梅の木の下、満月の日、早朝、夕方など、条件を変え、杉さんは集落のあちこちに麦汁を置き自然酵母を採取する。仕掛ければどこでも野生酵母を得られるわけではなく、成功と失敗の割合はおおよそ2:8。ビールに生かせる酵母は、フレッシュな柑橘香が漂うのですぐ判別できるが、どうすれば採取に成功するかはわからないと言う。豊穣の神のみぞ知る世界だ。
 
「空気中に漂う野生酵母はまるで人間の思い通りにはなりません。仕上がりも含めて、どんな味になるのか予測不能です。仕込むたびにドキドキしますが、それでも身の回りにある自然が育てたものを自然のままに自分の体に取り込むことが、なによりのご褒美だと私は思っていますから、そこはこだわりたいです」
 
仕事終わりのご褒美に、毎日美味しいビールを自分が飲みたいこともあって、と自称飲兵衛の杉さんは照れくさそうに笑う。そもそも彼は、真庭市を「どぶろく特区」にした立役者でもある。特区申請を行い、許可を得るまで奔走し、特区を取得するまでを見届け、公務員から醸造家へと転身した。
 
「高谷さんが作るどぶろくは、商品だけではなく、その行為自体がとても面白いものになる予感と信頼がありましたから」
 

中和村の奥へ進むと、杉さんの野生酵母の獲得地のひとつである「四幸」に行き着く。集落の人々が然るべき手入れを行い、清らかな清流と健全な生態系が維持されている。

 
ふと先ほどの高谷さん夫婦のやりとりが思い出される。
 
「11軒しかない集落で、同じ水を使い、同じ野生酵母を使い、隣接した田んぼで育まれる穀物を使う醸造所がふたつもある。このことが社会にどんなインパクトをもたらすのかに興味をもって、借金を背負ってでも、どぶろくを醸そうと思ったんです。ですから実は、お酒造りは二の次。
 
あくまでも、なにかを作ることでこの集落や土地のことで、より多くの人に自然というものに目を向けるきっかけになってほしいし、この土地を知るきっかけになってもらえたらという気持ちが先にあったんです」
 

隣接する杉さんの自宅にはタッパーが常設され、集落の人々が昼夜を問わず気ままに「セルフビール」を汲みにくる。作物を中心とする、小さくあたたかい交流場だ。

 

命に感謝して、「生活」をする

 
「生き方が濃いです。高谷さんも、杉さんも」
 
村上さんがオーナーシェフを務める<ohayo>に戻り、蒜山中和村でのひと時をしみじみと振り返る。
 
「水や土地の恩恵を素直に受け止めているのが、まずすごいと思います。それも自分のためではなく、集落や土地、自然などに関わる『伝えたいこと』が先にあって、そのためにできることを考えて動いている。俯瞰した視座で物事を見て突き詰めるみなさんの『生活』に触れて、さらにリスペクトが深まりました」
 

<ohayo>の季節のコース(8月)の一品目。半端ものとして出荷整理される予定だったヤマトルージュ(とうもろこし)の色の美しさに着想を得た、キタアカリ(ジャガイモ)とタマネギのスープ。

 
村上さん自身、大学卒業後、飲食業を営む父親に倣って飲食業界に入ったが「本当にやりたいことはなんだろう?」という思いが澱のように心中に溜まっていた時期がある。なにかを掴もうと、雲仙で固有種を守る農家を住み込みで手伝い、茨城で自然栽培を行う傍らクラフトビールを醸造するファクトリーで働くなど、全国各地の生産者を転々としながら暮らし、気付いたのは、「『暮らし』がしたい」という素直な欲求だった。
 
「薪を割り、火を焚き、自分が口にするものを自分で作る。あるいは顔の見える生産者が作った季節のものを食べて、日々の糧にする。そうして『自分を作るもの』の土台をしっかりと形作る暮らしがしたかったんです」
 

 
素の自分に気づくと、向かうべき方向が見えた。農家になろう。それが何の因果か、岡山県県北に位置する美作、大原宿で井戸のある屋敷と偶然出会ったことから、再び飲食店を始めることになった。
 
「大変な仕事ですが、幸せだなと思っています。当初は知り合いもおらず道の駅で材料を調達していましたが、今はほぼ全て、好きな人たちの手で大事に育てられた食材で賄えるようになりました。みなさんの畑に通い、季節ごとに花をつけ実を成して移ろう作物たちの姿を、いつも心から尊く思う日々を過ごしています」
 

 

季節のコース(8月)のメインプレート。この日は、北海道で農家を営むご友人のnonomamaから届いたキタアカリを中心に、美作のゲルゲイさんのビーツやディルなどなど13種類の初夏の野菜をラインナップ。

 
大事に育てられた素材を、そのものの味わいで食べる贅沢がある。その考えから、<ohayo>でふるまう季節のコースのメインプレートには、旬の地元野菜のグリルを用意している。茹でたり蒸したり、素材のおいしさを引き出す下準備をそれぞれに行い、野菜の香りが立つのを合図にコンロの火を止める。食べごろは野菜が教えてくれる。野菜のみずみずしさ、ほくほく、ねっとりとした食感などをダイレクトに感じるのは、調味料を最低限に抑えているからだ。
 
「仕入れる食材は、味だけでは決めません。作り手の人柄や作物への向き合い方に共感できるかどうかを大事にしています。もし仮にオーガニック農家だった方が農薬を使い始めたとしても、僕が好きな方がそれを選ぶ理由を尊重して、その後も野菜を仕入れ続けようと決めています」
 
農家の仕事は休みなく続く地道なもの。環境や天気に左右され、翻弄される。それは作物も同じだ。種を蒔かれた場所で根を張り続ける。積み重ねられた日々のなかで育まれたいのちを頂き、生きている。身をもってそのことを知っているから、村上さんが自然の恵みに向ける眼差しはあたたかい。
 
「生産者さんから届いた野菜を見ると、手間暇をかけた時間を感じて、まるで自分の子のように愛おしく感じます。この野菜たちをもっと美味しく料理したい、それが僕の思いです」
 

 
私たちは、動物や植物のいのちをいただいている。それらを通じて、水をいただいている。水は全ての生き物を巡り、そして、いつか森へと還る。私たち人間もまた水の巡る一部分を担っている。偉大なる水の循環と流れを感じた旅の終盤に、村上さんが何を思考したのかを聞いた。
 
「命は等しく横並びだとはっきり感じました。人間と、それ以外というものの見方をしている人が世の中には多いと感じますが、それはきっと違うことだとも。どぶろくやビールを醸す微生物から、森の土を耕す昆虫、そして生命の有無に関係なく、すべてはつながっている。森も川も海も、水というピースによって循環し、分かつことはできません。自分の目に見えないつながりにまでも関心を寄せて、はっきりと『感謝していたい』という思いが増す旅でした」
 
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若杉原生林
岡山県英田郡西粟倉村大茅1094
0868-79-2230
 
奥津荘
岡山県苫田郡鏡野町奥津48
0868-52-0021
https://okutsuso.com/
 
奥津渓
岡山県苫田郡鏡野町奥津川西
0868-52-9100
https://www.kagamino.holiday/spot/entry-84.html
 
蒜山耕藝くど
〒717-0513 岡山県真庭市蒜山下和1418-2
0867-45-7145
不定休
http://hiruzenkougei.com/p488
 
蒜山醸造所つちとみず
岡山県真庭市蒜山下和2764-1
090-7546-3814
不定休
https://tzuchi-to-mizu.myshopify.com/
 
ohayo
岡山県美作市古町1651
080-9753-7300
不定休
https://www.instagram.com/ohayo.mimasaka/

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