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パオラ・べザーナ
パオラ・ベザーナ 展示風景 2024
森の芸術祭 岡山
撮影:顧 剣亨 写真提供:JR西日本
1935年生まれ(2021年没)。
多様な社会的・文化的文脈から発展した高度な「織り」の技術の可能性に魅せられ、「織り」の3次元性を探究したテキスタイル作品を制作したアーティストである。時として巨大なスケールに達したそのテキスタイル彫刻は、民衆文化と現代的な抽象美術とをひと続きの線上に位置付けている。また、自作の制作と並行して、織物工房であると同時に研究・生産・教育センターでもある「Studio di Tessitura Paola Besana(ストゥディオ・ディ・テッシトゥーラ・パオラ・べザーナ)」を30年以上にわたって主宰し、スタッフのパオラ・ボンファンテ、ララ・ランツァとともに、産業用テキスタイルや建築、舞台芸術、ファッションのためのテキスタイルのデザインに取り組んだ。また、従来は技術の表現として一般的であったパターン論ではなく、技術理論に基づいた新たな教育手法も開発した。教育・研究活動と並行して、織り製品や織りサンプル、伝統的な織物やテキスタイルのライブラリーなどからなる膨大なコレクションも収集・管理した。そのコレクションは現在、「パオラ・べザーナ・アーカイブズ」で見ることができる。