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難波香久三
難波香久三《山を畏れる自像ーくえびこの神と共に》1976
森の芸術祭 岡山
撮影:顧 剣亨 写真提供:JR西日本
1911年、現在の岡山県真庭市勝山地区生まれ。(1996年没)
大阪府の吏員として働きながら関西大学夜間部を卒業した後、中之島洋画研究所で研鑽を積む。戦前は二科展などに出品し、岡本太郎や吉原治良らが結成した九室会に参加、高い評価を受けた。戦中から戦後すぐにかけて勝山に戻ったものの、その後東京に移り、教員をしながら制作、行動美術協会を中心に出品。その作風はシュルレアリスム(超現実主義)の影響を受けながらも現実にとどまり、「情念や想念を物語る絵画」を模索、社会批評的な要素を持つ作品を展開。世の中の矛盾や不正を時にユーモラスに描いた作品では、厳しい中に人の愚かさを慈しむような視点も感じられる。
主な展覧会に「時代に生き、時代を超える 板橋区立美術館コレクションの日本近代洋画1920s ― 1950s」(群馬県立館林美術館、2018年)、「真庭市受贈記念 難波香久三展 ― 人の世をまなざす」(勝山文化往来館ひしお、2023年)など。